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陽明門(ようめいもん)
霊獣(れいじゅう)と動植物


(りゅう)


 東照宮の霊獣の中で、2番目に数が多いのが龍です。
 龍は、神秘(しんぴ)な力を有するという想像上の動物で、深淵(しんえん)や海中に(ひそ)み、時には雲を起こし、雨を呼んで空中を飛翔(ひしょう)します。
 龍は、三代将軍徳川家光の干支(えと)であり、古代中国では王権のシンボルであることから、東照宮を飾るのにふさわしい霊獣とみなされ、印象的な場所に多用されています。
 特徴は、目が鬼、頭がラクダ、耳が牛、(つの)が鹿、胴体は蛇、(うろこ)(こい)、腹は(しん)(てのひら)は虎、爪は(たか)の九つです。

 陽明門の屋根(やね)の下には、2段に龍の頭が並んでいます。この二つを見比べてみましょう。
 下の段のものには、ヒゲがなく、まるでブタのように上唇(うわくちびる)鼻孔(びこう)がついています。さらに、一角で、牙があり、襟足(えりあし)の毛髪はカールしています。これを「息」といい、「いき」と読むのか「そく」と読むのかもはっきりしていません。
 (わに)が元の姿という説もありますが、どんな動物かはっきり分からない、何とも奇妙な動物です。


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