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[日光山輪王寺強飯式]
◇「強飯式」って何?
輪王寺*1に伝わる「強飯式」は,毎年4月2日に日光山輪王寺の三仏堂さんぶつどう*2で行われます。山りのごはん (三しょう*3)を無理むりやり食べさせようとすることから,別名「日光め」とばれ,日光に古くから伝わる全国でも大変めずらしい儀式ぎしきです。普通,「強飯式」というと,山盛りのご飯を食べさせる『強飯ごはん頂戴ちょうだい』が写真やテレビなどで大きくとりあげられますが,本当は,3つの儀式『三天合行供さんてんごうぎょうく採灯さいとう大護摩だいごま』『強飯頂戴の儀』『縁喜えんぎがらまき』を合わせて「強飯式」と言います。

*1,2 輪王寺に関する詳しいことは,「日光山輪王寺コーナー」を見ましょう。
*3 お米約5sです。

◇「強飯式」は,いつごろから始まったの?
奈良なら時代の終わりころ,日光を開いた勝道しょうどう上人しょうにん*4というお坊さんを始めとして,たくさんの修行僧しゅぎょうそう*5が,『神仏しんぶつ習合しゅうごう』*6という考え方のもとに日光の山々で修行しゅぎょうを行っていました。修行僧が,山で修行をしている間,宿泊しゅくはくした場所におそなえした物を山から持ち帰って,村の人々に分け与えたことが「強飯式」の始まりと言われています。
その後,修行をした時のお供え物を人々に分け与えるということだけでなく,日光三社さんじゃ権現ごんげん*7や開運かいうん三天さんてん*8からも,お供え物を人々に分け与えるというという意味もこめて行われるようになりました。そして,江戸時代に今のような強飯式の形になったと言われています。江戸時代には,徳川家の家来けらいや全国の大名だいみょうたちも「自分のはん名誉めいよのため」ときそって強飯式の頂戴人ちょうだいにん*9になりました。

*4  「勝道上人」については,「日光の社寺ゆかりの人々コーナー」を見ましょう。
*5 仏様の教えを広め行う人,山伏やまぶしのこと。
*6 日光の山々には,守り神として,神様の他に仏様もいて,人々を守るという考え方。