わくわく！日光の社寺たんけん|東照宮美術館

美術館は、かつて、社（しゃ）務（む）所（しょ）として使われていた建物です。
東照宮旧（きゅう）社務所の東側（がわ）は明（めい）治（じ）時（じ）代（だい）の造（つく）りですが、西側は昭（しょう）和（わ）３年に当時導入（どうにゅう）されつつあったメートル法で建（た）てられたものです。玄関や会議室・貴（き）賓（ひん）室など、内部の杉戸・襖（ふすま）には、横（よこ）山（やま）大（たい）観（かん）・荒（あら）井（い）寛（かん）方（ぽう）・中（なか）村（むら）岳（がく）陵（りょう）・堅（かた）山（やま）南（なん）風（ぷう）らが描（えが）いた48点のすばらしい障（しょう）壁（へき）画（が）があります。

「松」は徳（とく）川（がわ）の旧（きゅう）姓（せい）、「松（まつ）平（だいら）」にちなんでいます。
その左側には、家（いえ）康（やす）の幼（よう）名（みょう）「竹（たけ）千（ち）代（よ）」にちなんで岳陵作「竹に万年青（おもと）」が描（か）かれています。また「椿」は二代将（しょう）軍（ぐん）・秀（ひで）忠（ただ）が好（この）んだと言われています。

【松（まつ）・竹（たけ）・椿（つばき）】
大玄（げん）関（かん）正面は寛方作の「老（おい）松（まつ）」、右側は南風作「椿（つばき）」です。
「老松」と「椿」

【外（がい）界（かい）に続（つづ）く絵（かい）画（が）】

「流水」
その流れの続く右側には廊（ろう）下（か）の脇（わき）につくばいがあり、さらに遣（やり）水（みず）から前庭の池へと続いています。

「月・兎（うさぎ）」
中秋の名月。白兎が東を向いてたたずんでいます。
さて、月はどこにあるでしょうか？

「紅葉（もみじ）狩（がり）」
美しく紅（こう）葉（よう）する日光の山々から風に吹（ふ）き寄（よ）せられた落ち葉を描いたものです。
　また、右下の扇（せん）子（す）は、風向きを表しています。

【卯（う）の花と杜鵑（ほととぎす）】

歌（か）人（じん）・佐（さ）々（さ）木（き）信（のぶ）綱（つな）作（さく）詞（し）の童（どう）謡（よう）『夏は来ぬ』の歌（か）詞（し）、「卯（う）の花のにおう垣（かき）根（ね）に時鳥（ほととぎす）早もきなきて忍（しのび）音（ね）もらす夏は来ぬ」の世界を描いたものです。夏の訪（おとず）れの一（いっ）瞬（しゅん）を感じます。

【朝（あさ）陽（ひ）之（の）図（ず）】

貴（き）賓（ひん）室（しつ）として使われていた部屋の内部の様子「上（じょう）段（だん）の間」と言われ、ほかの部屋よりも一段高くなっています。

横（よこ）山（やま）大（たい）観（かん）作。
社（しゃ）務（む）所（しょ）の障（しょう）壁（へき）画（が）の中（ちゅう）核（かく）をなす作品であり、まさに、東（とう）照（しょう）宮（ぐう）を象（しょう）徴（ちょう）する絵（かい）画（が）です。

【杉（すぎ）・檜（ひのき）・桜（さくら）】

【白（びゃっ）狗（こう）】

↑犬か狐（きつね）か？婦（ふ）人（じん）室（しつ）に描（か）かれたこの絵、一説には、「信（しの）太（だ）の狐（きつね）」の物（もの）語（がたり）を描いたものだと言われています。

↑　貴賓室の前の襖（ふすま）に描かれています。画面の下部に樹（じゅ）木（もく）の梢（こずえ）のみを描いているのはなぜでしょう？

【月（げっ）斗（と）】

月と天の川。社務所の障壁画全体を締（し）めくくる、壮（そう）大（だい）な自然界を想像させてくれます。

美術館に描かれている、それぞれの絵に込（こ）められた意（い）味（み）を考えながら観（み）ると、色々な世界が広がります。