「日光(にっこう)社寺(しゃじ)」は「二社一寺(にしゃいちじ)」ともいいます。二社とは,日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)日光東照宮(にっこうとうしょうぐう),一寺とは,日光山輪王寺(にっこうさんりんのうじ)のことです。「二社一寺」のほとんどの建造物(けんぞうぶつ)が,山内(さんない)といわれる地域(ちいき)集中(しゅうちゅう)して ()てられています。その中には,国宝(こくほう)(とう)重要文化財(じゅうようぶんかざい)94棟の計103棟の建造物(ぐん)(ふく)まれます。
   山内にある建造物の多くは,17世紀(せいき)江戸時代(えどじだい)初期(しょき))の日本を代表(だいひょう)する天才的(てんさいてき)芸術家(げいじゅつか)作品(さくひん)であって,とてもすばらしい芸術品です
   東照宮と大猷院霊廟(たいゆういんれいびょう)は,「権現造(ごんげんづくり)」の見本(みほん)であり,そこに()てられている建造物群は,江戸時代の神社・寺院(じいん)様子(ようす)の代表的な姿(すがた)を表しています。また,日本の古い建築様式(けんちくようしき)を知る手がかりになります。
   日光の山内は,奈良時代(ならじだい)のころから信仰(しんこう)聖地(せいち)とされ,数百年(すうひゃくねん)()大樹(たいじゅ)などの自然(しぜん)社殿(しゃでん)とが一体(いったい)となった美しい神々(こうごう)しい景観(けいかん)がすばらしい。聖地(せいち)日光は,それぞれの時代の政治(せいじ)(むす)び付き,(とく)に,江戸時代の政治にとって大切な役割(やくわり)()たしました。



 地球と人類が過去から引き継いできた宝物です。それは,今,生きている私たちみんなの宝物として大切に守り,未来の人々に引き継いでいくものです。
 世界遺産には,記念工作物,建造物,遺跡である「文化遺産」と,地形や生物,景観などを含む地域である「自然遺産」,そして自然と文化の両方を合わせた「複合遺産」があります。
 「日光の社寺」は,日本で10番目の世界遺産です。ほかの日本の世界遺産,さらに世界のそれらについて調べてみてはいかがですか。


 このシンボルマークは,自然と文化が相互に依存している関係にあることを意味しています。中央の四角は人間が作りだした形を,周りの円は自然を表しており,両者は切り離されずつながっています。
 このシンボルマークは,世界のように丸いが同時に世界遺産の保護をも象徴しています。